“安物買いの銭失い”国産医療用ガウン在庫過多で生産中止へ!?雨合羽を民間から集めていた関西地方が中国産回帰で国内産業縮小か

国産「医療用ガウン」が在庫過多。生産中止検討へ

兵庫県豊岡市のカバンメーカー「服部」は、2020年から兵庫県の要請を受け、医療用ポリエチレンガウンの生産・販売を行ってきました。

今では国内工場の一貫生産により月産50万着の納品体制を整え、兵庫県、日本赤十字病院、全国の介護施設、社会福祉協議会などに納入しています。

国内メーカーが衛生用品を生産・販売・安定供給できるようになったことは、新型コロナウイルス対応で雨合羽を着て作業していた医療関係者の心強い支えとなったことでしょう。

しかし、そんな「服部」の倉庫には今、11万枚を超える在庫の山ができているそうです。

なぜそんな事態になってしまったのでしょうか。

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中国産の3倍の値段の医療用ガウン

現在「服部」で作られている医療用ポリエチレン(PE)ガウンは、中国製の3倍ほどの値段です。ホームページで見てみると価格は以下。

●10枚セット2,860円

●100枚セット26,400円

●500枚セット121,000

これが中国産の場合1/3の価格で済むというのだから、コロナ関連で支出が多くなった今、県としても病院としても少しでも安く済ませたいという気持ちは分からなくはありません。

しかし、安全性はどうなのでしょう。しっかりとした基準を満たしている商品なのでしょうか。また、今後中国製の商品が入ってこなくなった場合、今後国内企業が生産を取りやめてしまったら、一体どうするつもりなのでしょうか。

雨合羽で代用していた頃からまだ1年も経っていないのに・・・

新型コロナウイルスが広がりを見せた2020年の春。医療用ガウンが不足して、雨合羽を民間から集めるという事態に陥ったことが未だ記憶に新しいのではないでしょうか。この令和の現代に、医療従事者が雨合羽を着て作業をしている光景がニュースで流れたのは、とても衝撃的でした。

今でも調べると手作りガウンの画像や動画が出てきます。

阪大病院は2020年4月、新型コロナウイルスに感染した患者に使う防護服が足りなくなったとして、ポリ袋で代用、宝塚市立病院でも防護服不足で雨合羽を提供して欲しいというお願いまで出しています。

それなのにまだこの事態から1年も経っていない今、ここにきて中国産が安く手に入るようになったからと、安易に医療従事者の命に関わる衛生用品を中国製品を購入してしまう現状に憤りを感じます。

また長期間無防備でコロナ対策しなければいけない可能性も

中国産の医療用品が入って来なくなったのは、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年1月のことでした。記憶に新しいマスク不足もこの頃からかなり長期間続くことになります。

一般人であればこの事態も「外に出ない」「布マスクで代用する」ということができますが、新型コロナウイルスに立ち向かわなければいけない医療従事者は、マスクがない、防護服がない、という状態で、溢れるコロナ患者にどう対処できるのでしょう。

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こだわり抜いた設計は医療従事者を救う

「服部」のホームページを見て感じたことは、まず何よりも安全性にこだわっているということ。

世界最大手検査機関インターテック社の世界基準の検査基準を満たすシートを使用。

医療用ガウンの国際的な規格であるEN13795-1の試験・検査の結果、
条件項目の高性能要件を満たしました。

Hydrostatic Head test/ISO 08111【液体の浸透に対する耐性の決定、静水圧試験】

Cleanliness Microvial/ISO11737-1【埃やその他の粒子による空気感染への耐性】

Microbial Penetration/ISO22612【微生物の透過性】

Bacteria Penetration/ISO22610【バクテリアの透過性】

引用:株式会社服部ホームページ

「それでも高いより安い方が良いに決まっている。」

「消耗品なんだから安い方を選ぶのは当たり前。」

そんな声も聞こえてきそうですが、しっかりとした基準をクリアした製品は、医療従事者やその家族の命を守る“命綱”でもあります。「安価だから」という理由だけで乗り換えるのは、安全性軽視以外の何物でもありません。

兵庫県はどこの医療用品をどこから購入しているのか

兵庫県では、入札購買情報や 落札公告をホームページに掲載しており、どれだけのものをどこの会社から購入しているかが分かります。これによるとサージカルマスクや飛沫感染防止用のパーティションやアクリル板、アイソレーションガウンなどが入札されています。国内メーカーから仕入れているものもありますが、海外から輸入した商品を取り扱う企業も含まれています。

詳しく知りたい方は、公式ホーム―ページの入札・公売情報を参考にしてください。

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海外では中国製品を拒否する動きも

2020年3月。スペイン、トルコ、オランダなどでは、中国製の検査キットや医療用マスク、中国製個人防護具(PPE)などが基準を満たしていない、または欠陥があるとして使用を拒否していました。これに対し、中国政府外交部広報担当官は反発。しかし、中国が新型コロナウイルスのアウトブレイクを利用して政治的影響力を強化しようとしているという批判の声は、世界中の国々であがりました。

日本でも、中国産の医療用ガウンの不良品が相次ぎ、手直しをして使っているニュースが流れていたのはつい最近のことです。

もちろん、中国製品全てが基準を満たしていないというわけではありません。しかし、“命綱”である衛生用品は、国内製であっても海外製であってもしっかりとした安全性が確保できるものでなければいけません。

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医療従事者が使うガウンは国産のものへ

今回「服部」製の医療用ガウンの在庫が問題になりましたが、コロナの影響で「国内で医療用ガウンを作ろう!」と動いた企業は他にも数多くあります。

マスク、医療用ガウン、フェイスシールドなど、医療従事者が日々使うものは国産のもの限定にする等、国内企業を下支えするのが国や県の役割ではないでしょうか。

足りない時にだけ助けを求め、まだコロナが終息してもいないにも関わらず安易に安い中国産に手を出すことは、後々「安物買いの銭失い」になるのではないかと危惧せざるを得ません。

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