大迷惑な「野焼き」にうんざり!法律的にはOK?NG?
「どこからともなく煙臭いにおいがしてくる。」
「取り入れた洗濯物が煙臭い!」
天気がいい日に窓を開けたり、洗濯物を取り込んだりすると感じる野焼きの臭いは、本当に腹立たしいですよね。
野焼きは天気がいい日にやられるから、洗濯物の被害がいっつも被害を受けるのよね!!
元々住んでいた地域ならともかく、新しく引っ越した先で野焼きに遭遇してしまったら、怒りと共に絶望感すら感じてしまいます。
でも、
「自分の敷地内の野焼きなら、法律的に何の問題もないのではないか?」
「送り火や迎え火などの宗教的な行事の野焼きは?」
「花火なども同じく火を使うし、もしかして法律的にはOKなの!?」
と、自分が神経質なのか?自分が我慢するべきなのか?と感じてしまうこともありますよね。
そこで今回は、野焼きは法律的にOKなのかそれともNGなのか、また法律でOKな場合はどういう理由の時なのかなどを確認していきましょう!
「野焼き」とは、そもそも何を指すの?
野焼きの定義と法律
適法な焼却施設以外で廃棄物(ごみ)を燃やすことを「野焼き」といいます。野焼きは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、「廃掃法」)」で原則として禁止されています。野焼きに該当するのは、地面で直接焼却する場合だけではありません。ドラム缶・ブロック囲い・素掘りの穴・法で定められた基準を満たしていない焼却炉での焼却行為なども含まれます。一般家庭からでるごみの焼却は、野焼きに該当します。
引用:記の川市ホームページ
“原則禁止”ということは、法律だから“例外”もあるのね。
じゃぁ、法的に認められる例外の理由をチェックしてみよう!
野焼きが法的に認められる“例外”に当てはまる理由
- 国や地方自治体が施設管理を行うために必要な場合
- 災害の予防・応急対策・復旧のために必要な場合
- 風俗習慣上・宗教上の行事を行うために必要な場合
- 農業・林業・漁業でやむを得ず行われる廃棄物の焼却
- たき火その他日常生活で通常行われる場合で軽微なもの
1~3までの理由は分かるけれど、4と5は曖昧だよね。
4の「農業・林業・漁業でやむを得ず行われる廃棄物の焼却」に関しては、「俺は農家だから例外だ!」という人がいますが、家族だけで食べる農作物を自分の畑で作っているのは“農業”ではありません。ほとんどの野焼きは、これらの業にかこつけて行われています。
趣味じゃん!(笑)
「農業・林業・漁業に伴う野焼き」は、自治体の制令によって許可されていることもありますが、これは本当に稀なことなんですよ。
また、制令で火事と間違われるような野焼きは消防への届け出を必要としているところもありますが、届け出しているからといって野焼きをして良いわけではありません。
萩市のホームページにもこう記載されています。
の届出は、事前に焼却行為を把握し、誤報により消防機関が出動する
などの混乱を避けるためのものであり、届出を受理することにより、他の法令に
係る焼却行為を許可するものではありません。
あくまでも消防は届け出を受け付けるだけ。
それが法令違反(法律違反)かどうか届け出を出した段階で伝えられることはないのです。なので、苦情を伝えて「消防署に届けてる!」と言われても、法的に認められているわけではないので、怯まなくても大丈夫。煙が危険だったり迷惑な場合は法律的にも通報してしまってOKです。
5の「たき火やその他日常生活での軽微な野焼き」は、煙が漂ってきて迷惑をしている時点で“軽微”ではありません。
自宅の敷地内でゴミを焼く行為は、「ごみ焼き」とも言われているわ。
毎年ごみ焼きや野焼きでは数多くの火災が発生しています。
「軽微なものだから」「いつもやっていて慣れているから」という理由で、きちんと消火設備も整えず、風向きや風速なども考えず行われているケースがとても多いのが問題です。
では、実際に野焼きには法的にどんな罰則があるのかも確認していきましょう。
ゴミや廃棄物の野焼きには罰則も!法律を確認しよう
法律で禁止されているゴミや廃棄物の野焼きを行った場合は、重い罰則が科されることがあります。
廃棄物の野焼きは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により罰せられる場合があり、行為者は5年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金に処せられます。また法人にあっては、1億円以下の罰金に処せられます。
引用:野田市ホームページ
野焼きでゴミや廃棄物を燃やす行為は法律違反。過去の例も見て行きましょう。
過去の検挙例
- 2010年6月、病院職員が自宅の敷地内で家庭ごみを野焼き。廃棄物処理法違反容疑で書類送検。病院職員だったので職場から減給処分を受けました。
- 2015年5月、東京都東大和市の建設会社で野焼き。コンクリート製造に使った木製合板約約540kgを燃やしたとして警視庁生活環境課は廃棄物処理法違反(焼却禁止)容疑で逮捕。
- 2016年2月、消防副所長が野焼き。自身の田んぼで伐採した木を野焼きし近所から苦情が多数寄せられましたが、消防車がかけつけた時には鎮火済。その後、廃棄物処理法違反の疑いで書類送検されました。
正統な理由がない迷惑な野焼き行為が、今後もしっかりと法律で取り締まってもらえますように。
法律違反なだけじゃない!命に関わるキケンな野焼き行為
野焼きで一番迷惑なのが“煙”ですよね。野焼きでの焼却温度は200~300度程度。この温度で燃やすと、ダイオキシンなどの有害物質が発生する可能性があります。また、PM2.5によって大気が汚染され、喘息などが引き起される危険もあります。
「たき火」や「火入れ」などの森林火災では死者も出ている
平成28年度のデータによると、森林火災で最も多い理由が「たき火」、次いで2位が「火入れ」でした。
出典:総務省消防庁
「たき火」「火入れ」の詳細は分からず、この中に野焼きが何件含まれているかは分かりませんが、人が意図的に火を出したことで森林火災が起きてしまったことは紛れもない事実です。また、これらの火災によって死者も出ています。
このように、素人が野焼きを行うことによって、思いもよらない被害を招いてしまうこともあります。例外として認められている理由以外の野焼き行為は絶対にやめましょう。
洗濯物が臭くなるだけじゃなく、命に関わることもある。それだけ野焼きは迷惑で危険なことなんです。
野焼きは正当な理由がなければ法的には認められない
いかがでしたでしょうか。今回の記事では、野焼きは正当な理由がない限り、法的には認められないということが分かって頂けたと思います。
地域のイベントや宗教的風習などで「このくらいはしかたがないかな」と、思えるなら我慢しても良いと思いますが、日常的に行われているゴミ焼きや野焼き、火事への予防があきらかにできていない場合は迷惑で危険な行為なので、しかるべき場所に通報をしましょう。
通報方法に関しては別の記事で説明していますので、是非そちらもご覧ください。
「こういうケースの野焼きは法律的に認められるの?」
「法律で認められていると言われたけれど、こういう理由での野焼きはどうなの?」
という疑問があったら、是非コメントでお寄せ下さい♪
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